aoと藍
6月末にまとまって入荷したaoの藍染め新商品。
今回は、知っていそうで知らなかった藍染めのことに触れてみました。
店内が藍で染まり、ほのかに藍染めの匂いがします。
静かな色と落ち着きがあり、だけど強さのようなものも感じられ、
その藍の美しさに自然と引き込まれます。
藍染めの歴史は本当に古く、現存する染色布で最古のものは、
エジプトのピラミッドから発見された藍染めの麻布であり、
4000年ほど前のものといわれています。
藍染めは日本だけでなく、世界各地で行われている染色方法です。
藍色の天然色素を含んでいる数種類の植物が、
各地の気候風土に応じて用いられてきました。
蓼藍(タデ科)、インド藍(マメ科)、ナンバンコマツナギ(マメ科)、
琉球藍(キツネノマゴ科)、大青(アムラナ科)など。
日本では主として一年草の蓼藍が藍染めの原料とされています。
高温多湿な土地によく育ち、葉に藍色の色素が含まれています。
藍染めには生葉染めと建染めの二つの方法があります。
生葉染めは藍の葉をミキサーなどにかけ、
漉した液で染める方法で、7月から9月初めの時期に限定されている染め方です。
濃い色は出ませんが、きれいな水色に染め上がります。
藍から特殊な方法で色素を溶かし出すことを「建てる」といいます。
古来から続けられている方法は「発酵建て」といい、
灰汁、石灰、麸(ふすま)などを使って建てますが、
かなり経験を要するものです。
発酵建てによる建染めはとても手のかかる方法で、
刈り取った藍の葉の部分を干し、その後水を与え、
切返しなどの作業を繰り返し、発酵させ塊状の「すくも」にします。
この「すくも」が藍の染料の基になるものです。
藍は含藍植物といわれていますが、
植物自体が持っているのは、藍の天然色素のインジゴそのものではなく、
その原料となるインジカンです。
インジカンという物質は発酵によってインジゴになります。
すなわち、「すくも」の状態です。
インジゴはそのままでは水に不溶のため、
灰汁や苛性ソーダ等のアルカリ液に溶解させるために還元という作業を行います。
還元されるとインドキシルという水溶性の物質となり、
この作業を「藍のすくも発酵建て」といいます。
この液に糸や布を漬け、染液をしみこませますが、
この時点では繊維は黄土色で、これを空気にさらすことにより
インドキシルは酸化し、不溶性のインジゴになります。
黄土色から黄緑色、エメラルドグリーン、青緑から青へと発色していきます。
そのつど酸化、発色させ、その作業を何度も繰り返すことで、
濃い藍色に染めることができるのです。
*
aoの藍染めは、染め職人さんの技術により、色落ちや色移りが気にならないです。
私自身も実際に着たり、お洗濯したりしていますが、本当に扱いやすい。
私はよくao×синийの藍染めスクエアワンピースに
ストールやカーディガンを合わせます。
合わせたストールも手も染まらずに、安心して着られます。
ちょっとしたパーティーにも着ていけて、シックな雰囲気に心も落ち着きます。
襟元のピコ刺繍とボタン、後ろ身頃のタック、お袖のシフォン。
一見シンプルに見えますが、実はとても繊細なディテールなのです。
ネックレスはあえてつけない方がきれい。
<藍染めスクエアワンピース 21000円>
<単サロン 4200円>いちご 首元にストールとして使用
長袖のシャツワンピースは肌寒い夜に。
サイドにスリットが入っており、重ねたバルーンワンピースがアクセントに。
もちろんパンツスタイルにも◎
前開きなので、羽織としてもお使いいただけますよ。
<藍染めシャツワンピース 25800円>
<バルーンワンピース 25500円>生成色
古来から人々がアオ色に憧れるのは、
決して人々が手に届かないところにある___どこまでも広がる空や、深く力強い海のように
自然界にしか存在しない色だからかもしれない。
蒸し暑い夏を、aoの藍染めたちでぜひ涼んでくださいね。
近々藍染めサロンについても更新いたします。
おたのしみに*
staff.O
参考文献:アパレル染色論/文化出版局