ナチュラル服・肌触りの良い大人のガーゼ服は ao daikanyama | アオ代官山
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「1枚のブラウスができるまで」第1回

aoの服は新潟県糸魚川市の縫製工場で1枚1枚作られています。 

歩いて海まで行けるその工場では、1枚のブラウスができるまでの工程に何人もの技術者が携わっています。

繊細にミシンを扱う手と、家族のために毎日の食事を作る手と。
海辺の町で働き暮らす彼女たち(時に彼たち)が、プレミアムラインbisシリーズ「タックバルーンスリーブプルオーバー」を作り上げていくストーリーをお伝えしていきます。

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第1回
仕様検討 /先行チェック
湯尾彩子さん・30代

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繊細な服作りを導く、先行チェックという仕事。

aoのブラウスができるまでには様々な工程がありますが、デザインからパターンを起こし、それを実際に1枚作ってみることで、量産への課題と改善点を現場の技術者の目線でチェックする作業があります。これが今回ご紹介する〈仕様検討〉と〈先行チェック〉です。

「縫うと言っても色々な方法があるのですが、デザイナーやパタンナーの意向を汲みつつ、いちばんきれいに、いちばん早く効率よく仕上げる方法を考えるのが仕様検討の仕事です」と湯尾さん。先行チェックとは、仕様を検討した上で、量産化に入る前にすべての工程をひとりの技術者が縫い上げ、デザイナーたちとともに〈先上げ〉と呼ばれる完成品の最終チェックを行うことです。

湯尾さんはaoの生産ラインでも、特に繊細で少ロットの服を担当する班の班長であり、仕様検討と先行チェックを任される数少ない技術者のひとり。

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---量産しやすいようなポイントを指示入れするのも先行チェックの仕事のひとつ。
これを共有して、完成品へと導きます。


何千型も縫うことで得たもの。

高校卒業後に入社。接客などではなく黙々と仕事をしたかったという彼女は、先輩技術者たちの働くラインを「それこそ隅から隅までまわった。何十型、何千型という縫製をやってきました」と言います。

ある日、まだ入社3年目の新人だった湯尾さんに先輩技術者が「おまん、縫いない(あなた、縫ってみなさい)」と、突然先上げをやるように言いました。結果はやり直し指示が入ってしまいました。湯尾さんにとってはほろ苦い先上げデビュー。

でもそこから何十型、何千型を縫ってきたいま、その期待に応えられる技術者となって、現場を支えています。特にaoはスタートアップから携わっているブランド。自分が担当した型は手の感覚で縫い方を覚えているそう。

そんな湯尾さんがつらいと感じることは「求められる仕様のクオリティと納期がかみ合わないとき。無理に急ぐと品質にも影響が出かねない。そういう時はパンツならパンツが得意な人など、社内でその商品が得意な人にアドバイスをもらいながら乗り越えます」

少ロット班はどんな縫製もできるオールマイティな技術者揃いですが、得意分野をもつ他ラインの技術者と常日頃からやりとりをすることで切磋琢磨し、いざというときには協力し合います。いろんなラインを隅々までまわって築いた社内のネットワークも彼女の強み。

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---湯尾さんのミシンにはかわいいマグネットが。ハリネズミが好きだそう。



難しい仕事も、以心伝心のチームワークで。

そして湯尾さんがうれしいなと思うのは「凝ったデザインでも検品後の直しがゼロだったとき。自分が指示を出さなくても、班のみんながスムーズに分担をして縫い上げてくれるとき。言わなくても伝わってるんだなって思う」

根っからの職人気質の彼女が顔をほころばせたのは、ひとに何かを作ってあげるのが好きだという話のとき。同じ班の技術者も「湯尾さん、シフォンケーキ上手なんよ〜」と横から冷やかし。接客が苦手で縫製の職を選んだという女の子は、好きなもの作りを通して、すっかりひとの輪にも溶け込んでいたのです。


【personal data】
一緒に暮らす人:母、祖父
出身地:糸魚川市駅前地区
趣味:海外ドラマのDVD鑑賞
特技:お菓子作り
得意料理:シフォンケーキ。会社に持ってきておすそ分けしている。
一押しのaoアイテム:ケープスリーブドレス。着やすいけどシンプル過ぎずおしゃれ。落ち着いた色展開も好き。

【今日のお弁当】

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生春巻き。毎朝15分程度でお弁当を仕上げます。具材はサーモン、海老、鶏肉のササミなど魚肉類とモヤシやキュウリなど野菜たっぷり。オーロラソースとスイートチリソースで。

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取材・文:村岡利恵(HÜTTE muumuu)
『フィガロヴォヤージュ』『Hanako』などの編集に携わる。2017年の初夏から長野県大町市の高瀬渓谷の別荘地で「HÜTTE muumuu」という朝食限定のカフェと編集&デザイン業を営む予定。www.huttemuumuu.info


次回更新は7月28日(金)を予定しております。

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