ナチュラル服・肌触りの良い大人のガーゼ服は ao daikanyama | アオ代官山
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「1枚のブラウスができるまで」第6回

aoの服は新潟県糸魚川市の縫製工場で1枚1枚作られています。 
歩いて海まで行けるその工場では、1枚のブラウスができるまでの工程に何人もの技術者が携わっています。
繊細にミシンを扱う手と、家族のために毎日の食事を作る手と。
海辺の町で働き暮らす彼女たち(時に彼たち)が、プレミアムラインbisシリーズ「タックバルーンスリーブプルオーバー」を作り上げていくストーリーをお伝えしていきます。

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第6回 

まとめ
樋口麻衣さん・30代

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前回の<組立>で1着のブラウスの形になりましたが、工程はまだ続きます。タックバルーンスリーブプルオーバーにつけられている小さなボタン。ボタンホール作りなど、最終段階となる手縫いを含む細かい作業を行うのが<まとめ>です。

ボタンホールを開けるのはメスがついた特殊ミシン。第2回の<裁断>同様、切ってしまった布は元には戻らない、緊張感のある仕事です。それを担当するのが、樋口麻衣さん。

「(特殊ミシンで)ボタンとかも機械でつけられるんだ〜と思いました」。樋口さんは高校中退後にスーパーのレジのバイトなどをしていましたが「正社員としてちゃんと働きたい」と思い応募、未経験ながらこの工場に採用されました。13年目の今はベテランですが、元々はまったくの初心者。特殊ミシンも初めて見たそうです。


内職さんたちの手作業を円滑にする指示書づくり

<まとめ>の仕事は、もちろんボタンホールを開けたり自分でする作業もありますが、"内職さんに仕事を外注する"という大きな役割があります。糸魚川市の縫製工場の周りには、農家のお母さんや子育て中のママなど、フルタイムでは働けないけれど、自宅での仕事ならできる"内職さん"がいます。タックバルーンスリーブプルオーバーのような小さなボタンつけは、特殊ミシンではできない細かな仕事。それを手作業で行うのが内職さんたちなのです。

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---タックバルーンスリーブオーバーのボタンは厚みのある貝ボタン。こういった繊細なボタンは機械での取り付けができず、すべて手作業です。

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---樋口さんのお裁縫箱。すぐ取り替えられるようにボビンも缶にまとめて整理整頓。

樋口さんは内職さんたちに発注するだけでなく、どの内職さんにも同じように作業してもらうように指示書を作成します。ボタンつけひとつといっても、何本取りの糸で、何回穴に通し、何回巻きつけるかなど、洋服によってそのやり方は異なります。内職さんが自分の判断で思い思いにつけてしまうと、仕上がりや強度にばらつきが出てしまうので、指示書がとても重要になるのです。

「私は絵を描くのが苦手なので、イラストの場合は上手い同僚にお願いしたりします。あとは自分で作った見本をつけるとか」。樋口さんのミシンの横にはデジカメが掛けられています。これは指示書を作るために、作業工程を写真で撮るためのもの。普段から顔を合わせる同僚たちであれば、あ・うんで伝わることも、内職さんたちへのコミュニケーションは「誰が見ても確実にわかること」が求められます。<まとめ>の段階では納期も差し迫っています。やり直しの時間はないので、急がば回れなのです。

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---樋口さんのカメラ。これで作業を細かく撮影して、内職さんに手渡す指示書を作成します。


ステッチに手まつりと多彩な縫い方自分が覚えてひとに伝える

「元々細かい手作業は好きでしたが、千鳥ステッチ(ジグザグ縫いのこと。パンツやジャケットの裾を縫う時に使う)など、縫い方にも種類が多くて覚えることがたくさんあるんです。内職さんに教えるために自分も勉強中。(ほかの仕事が長く続かなかった)自分でも務まっているんだなぁと思えるようになった。責任感が出てきて『こんなのできないや』って思わなくなりました」

樋口さんは内勤ですが、接客などひとと接することも好きだそう。「社会見学に来た小学生が特殊ミシンを見て『すごい!!』って感激してると『すごいでしょ〜』と返してしまうんです(笑)」とうれしそうに話します。

指示書を見ると「ボタンホールの中に指を入れてゴミ(糸くず)が出ないか確認」と、縫い方だけではなく、美しく仕上げるポイントが書かれていました。相手が気が付かなさそうな点も先回りして細やかにフォローする。ひと好きで勉強熱心な樋口さんの指示書ファイルにはそういったポイントが詰まっています。

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---撮影した写真に手書きで注意点を書き込んである樋口さんの指示書。


【personal data】

一緒に暮らす人:父、母

出身地:糸魚川市大和川地区

趣味:学生時代の友達と居酒屋などでおしゃべり

得意料理:ネットでレシピなどを見て勉強中

一押しのaoアイテム:オニオンワンピース。ふわふわしていてかわいい。

【今日のお弁当】

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お母さんが作ってくれたそぼろごはんとサラダ。お弁当はごはんの上におかずを載せるパターンが多いそう。


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取材・文:村岡利恵(HÜTTE muumuu)
『フィガロヴォヤージュ』『Hanako』などの編集に携わる。2017年の初夏から長野県大町市の高瀬渓谷の別荘地で「HÜTTE muumuu」という朝食限定のカフェと編集&デザイン業を営む。www.huttemuumuu.info


次回(最終回)更新は12月29日(金)を予定しております。

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