1枚のブラウスができるまで - information | ナチュラル服・肌触りの良い大人のガーゼ服はao daikanyama | アオ代官山
ナチュラル服・肌触りの良い大人のガーゼ服は ao daikanyama | アオ代官山
split
information | ナチュラル服・肌触りの良い大人のガーゼ服は ao daikanyama | アオ代官山

インフォメーション

「1枚のブラウスができるまで」第2回

aoの服は新潟県糸魚川市の縫製工場で1枚1枚作られています。 

歩いて海まで行けるその工場では、1枚のブラウスができるまでの工程に何人もの技術者が携わっています。

繊細にミシンを扱う手と、家族のために毎日の食事を作る手と。
海辺の町で働き暮らす彼女たち(時に彼たち)が、プレミアムラインbisシリーズ「タックバルーンスリーブプルオーバー」を作り上げていくストーリーをお伝えしていきます。

one_blouse_blog.jpg

第2回
パターンアレンジ
川原絵里さん・30代

20170727-1.jpg

 

第1回でご紹介した<仕様検討/先行チェック>という工程と同じタイミングで行われるのが、今回の<パターンアレンジ>。

CADというソフトを使ってパソコン上で行われるパターンアレンジですが、縫い代を数ミリ増減する、ノッチ(※1)の位置を決める、歩留まり(ぶどまり、※2)を最小限に抑える...といった、その後の裁断&縫製作業をしやすく工夫をこらす、言わば洋服作りの要となる作業なのです。

※1 ノッチ:パターンに切込みを入れること。合印。2枚の生地のノッチを合わせながら縫うことでズレをなくすことができる。

※2 歩留まり:生地効率。決められた生地内に各パーツを効率よく収めることで、廃棄する部分を少なくする。

20170727-2.jpg

---1枚の生地にうまくパーツを収めて歩留まりの少ないパターンを作ります。


aoの風合いはパターン調整の賜物。

パターンアレンジは作業の工程を円滑にするだけではなく、ao特有の"風合い"にも大きく関わってきます。

一般的に洋服に使う生地は縮みや光による変色を防ぐため、精錬や漂白など化学的な加工が施されます。一方、aoで使う生地はそういった加工をせず、素材本来が持つ自然な風合いをそのまま活かしています。すなわち洗ってしまうと縮んでしまったりする不安定さが残る生地。代表的な「なめらか天竺」では、洗いをかけると縦横で約35%近くも縮んでしまうのです。

そのままお客様の手元に届くと大変。だから生地の段階でどれくらい縮むのか、洗いをかけて収縮率を計算したうえで、パターンの調整を行うことで、デザイナーが求めるシルエットを導き出します。これもパターンアレンジの大事な仕事なのです。

20170727-4.jpg

---洗いをかけた生地の収縮率も計算。仕上がり後の縮みも予測してパターンを調整します。


未経験だったから、現場が教室。

「実家はクリーニング店で、母の作った洋服を兄妹みんな着ていました。いつも洋服に囲まれて育っていて、いま思えば、それが洋服作りをするきっかけだったのかな」

川原さんは高校卒業後に入社。CADオペレーター募集でしたが未経験。それでも採用され、いろんな工程をまわりパターンのいろはを学びました。だから「他社や一般的なやり方はわからないけど、この工場だったらこうやる」という、現場感覚を大切にするオペレーターなのです。


気軽な会話から、バランス感覚を磨く。

そんな川原さんのCAD技術の見せどころ。それはバランス感覚。生地のムダをなくすために歩留まり重視になると、裁断が複雑になり時間がかかる。ある班の要望の縫い代だけを採用すると、他の班では縫いづらくなる。現場からノッチ指示が入ってなくても、必要だと思ったら入れる。

工程に携わるすべての人たちに「よかったよ、やりやすかったよ」と言ってもらうために、全体バランスを考えてパターンを調整するのです。必要なのは、現場とのコミュニケーション力。「真剣に議論しがちな仕事のことを、あえて軽く話すことで言いやすい空気を作るようにしています」と秘訣を話す川原さん。aoの母体である縫製工場の社長にもそのフランクさが受け入れられ、すっかり一目置かれる存在に。

20170727-3.jpg

---パソコン横には「ママガンバッテ」とのメモ。小学生の男の子のお母さんでもあります。


家庭に入ることに憧れ、子育てを機に職場を一旦離れましたが、またaoに戻ってきた川原さん。「仕事をしてると生活にハリが出てきます。違う仕事もしてみたかったけど、やっぱり自分の知識が活かせるし、何より作ることが好きだった」。子どもの頃からいつも洋服に囲まれて暮らしていた、彼女らしい選択です。


【personal data】

一緒に暮らす人:夫、子供、義父母
出身地:糸魚川市早川地区
趣味:キャンプなどアウトドア活動
特技:料理を食べること、作ること
得意料理:煮玉子。地域のお祭りの振る舞いで好評。
一押しのaoアイテム:デニムノーカラーコート。デニムよりも柔らかく、さっと羽織れる。

【今日のお弁当】

20170727-5.jpg


ベーグルサンド。具材は子供が好きなカボチャサラダ、豆、クリームチーズ、チキン、トマト。パンが好きで、こっそり会社の冷凍庫にパンを保存している。

---

取材・文:村岡利恵(HÜTTE muumuu)
『フィガロヴォヤージュ』『Hanako』などの編集に携わる。2017年の初夏から長野県大町市の高瀬渓谷の別荘地で「HÜTTE muumuu」という朝食限定のカフェと編集&デザイン業を営む予定。www.huttemuumuu.info


次回更新は8月31日(木)を予定しております。

第1回の記事はこちら

「1枚のブラウスができるまで」第1回

aoの服は新潟県糸魚川市の縫製工場で1枚1枚作られています。 

歩いて海まで行けるその工場では、1枚のブラウスができるまでの工程に何人もの技術者が携わっています。

繊細にミシンを扱う手と、家族のために毎日の食事を作る手と。
海辺の町で働き暮らす彼女たち(時に彼たち)が、プレミアムラインbisシリーズ「タックバルーンスリーブプルオーバー」を作り上げていくストーリーをお伝えしていきます。

one_blouse_blog.jpg

第1回
仕様検討 /先行チェック
湯尾彩子さん・30代

20170630-1.jpg



繊細な服作りを導く、先行チェックという仕事。

aoのブラウスができるまでには様々な工程がありますが、デザインからパターンを起こし、それを実際に1枚作ってみることで、量産への課題と改善点を現場の技術者の目線でチェックする作業があります。これが今回ご紹介する〈仕様検討〉と〈先行チェック〉です。

「縫うと言っても色々な方法があるのですが、デザイナーやパタンナーの意向を汲みつつ、いちばんきれいに、いちばん早く効率よく仕上げる方法を考えるのが仕様検討の仕事です」と湯尾さん。先行チェックとは、仕様を検討した上で、量産化に入る前にすべての工程をひとりの技術者が縫い上げ、デザイナーたちとともに〈先上げ〉と呼ばれる完成品の最終チェックを行うことです。

湯尾さんはaoの生産ラインでも、特に繊細で少ロットの服を担当する班の班長であり、仕様検討と先行チェックを任される数少ない技術者のひとり。

20170630-3.jpg
---量産しやすいようなポイントを指示入れするのも先行チェックの仕事のひとつ。
これを共有して、完成品へと導きます。


何千型も縫うことで得たもの。

高校卒業後に入社。接客などではなく黙々と仕事をしたかったという彼女は、先輩技術者たちの働くラインを「それこそ隅から隅までまわった。何十型、何千型という縫製をやってきました」と言います。

ある日、まだ入社3年目の新人だった湯尾さんに先輩技術者が「おまん、縫いない(あなた、縫ってみなさい)」と、突然先上げをやるように言いました。結果はやり直し指示が入ってしまいました。湯尾さんにとってはほろ苦い先上げデビュー。

でもそこから何十型、何千型を縫ってきたいま、その期待に応えられる技術者となって、現場を支えています。特にaoはスタートアップから携わっているブランド。自分が担当した型は手の感覚で縫い方を覚えているそう。

そんな湯尾さんがつらいと感じることは「求められる仕様のクオリティと納期がかみ合わないとき。無理に急ぐと品質にも影響が出かねない。そういう時はパンツならパンツが得意な人など、社内でその商品が得意な人にアドバイスをもらいながら乗り越えます」

少ロット班はどんな縫製もできるオールマイティな技術者揃いですが、得意分野をもつ他ラインの技術者と常日頃からやりとりをすることで切磋琢磨し、いざというときには協力し合います。いろんなラインを隅々までまわって築いた社内のネットワークも彼女の強み。

20170630-2.jpg
---湯尾さんのミシンにはかわいいマグネットが。ハリネズミが好きだそう。



難しい仕事も、以心伝心のチームワークで。

そして湯尾さんがうれしいなと思うのは「凝ったデザインでも検品後の直しがゼロだったとき。自分が指示を出さなくても、班のみんながスムーズに分担をして縫い上げてくれるとき。言わなくても伝わってるんだなって思う」

根っからの職人気質の彼女が顔をほころばせたのは、ひとに何かを作ってあげるのが好きだという話のとき。同じ班の技術者も「湯尾さん、シフォンケーキ上手なんよ〜」と横から冷やかし。接客が苦手で縫製の職を選んだという女の子は、好きなもの作りを通して、すっかりひとの輪にも溶け込んでいたのです。


【personal data】
一緒に暮らす人:母、祖父
出身地:糸魚川市駅前地区
趣味:海外ドラマのDVD鑑賞
特技:お菓子作り
得意料理:シフォンケーキ。会社に持ってきておすそ分けしている。
一押しのaoアイテム:ケープスリーブドレス。着やすいけどシンプル過ぎずおしゃれ。落ち着いた色展開も好き。

【今日のお弁当】

20170630-4.jpg


生春巻き。毎朝15分程度でお弁当を仕上げます。具材はサーモン、海老、鶏肉のササミなど魚肉類とモヤシやキュウリなど野菜たっぷり。オーロラソースとスイートチリソースで。

---

取材・文:村岡利恵(HÜTTE muumuu)
『フィガロヴォヤージュ』『Hanako』などの編集に携わる。2017年の初夏から長野県大町市の高瀬渓谷の別荘地で「HÜTTE muumuu」という朝食限定のカフェと編集&デザイン業を営む予定。www.huttemuumuu.info


次回更新は7月28日(金)を予定しております。

ao daikanyama 公式Facebookページ