恒例のファクトリーイベント「青と森 のエール」が開催されました!
昨年開催された第8回では記録的豪雨に見舞われた、糸魚川市早川地区でのaoのファクトリーイベント「青と森のエール」。2018年は5月12日・13日に開催でしたが、天気予報はくもり→雨。1日目はかろうじてくもりでしたが、2日目の日曜は朝からあいにくの雨...。
でもスタッフ一同、お客さまに快適に過ごしていただけるよう朝から会場レイアウトを変更したりと、昨年の経験を活かしての開催となりました。
---今年は会場エントランスに家型のモニュメントが登場。
毎年糸魚川と東京のスタッフがアイデアをひねっているのが、縫製工場のことを知ってもらうためのブースと、みなさまに楽しんでいただく料理。
今年は連載「1枚のブラウスができるまで」で素材や縫製技術にまつわることを紹介したこともあり、実際にそれらを見ていただこうと考えました。いろんな種類の縫い代を実際に触ってもらえるサンプルや、完成品のサイズと縮率を考慮したパターンを比較してもらえるように展示。
またaoの「立体織りガーゼタオル」は天然酵素と純石けんで洗練しているため、使い始めから吸水する仕上がりになっています。普通のオーガニックコットンタオルとaoのガーゼタオルにスポイドで水を落として、その吸水速度の違いを実感してもらう「実験」も用意しました。
---折り伏せ縫いに袋縫いなど、さまざまな縫い代で仕上げた袖のサンプルで、肌に当たる感触の違いを体感していただきました。
---縮率を考慮したパターンの展示。上に重ねたものが完成時の大きさですが、縦・横方向の縮みを計算して大きめに裁断しています。
そして、お料理。昨年はピザ窯を使ったスキレット料理のワークショップでしたが、今年はaoのスタッフ特製の「南蛮エビカレー」をご用意いたしました。
---こちらがao特製の南蛮エビカレー。サラダはaoの工場にもほど近い早川地区の「清耕園ファーム」の野菜を使っています。
「どうして縫製工場がカレー?」と思われるかもしれませんね。
全国ニュースにもなりましたが、2016年12月22日に糸魚川市は大火災に見舞われ、市内中心部は昔ながらの商店や住宅が延焼で失われるなど壊滅的な被害を受けました。でも、再度立ち上がり、町に賑わいを取り戻すべく「復興マルシェ」を開催。そこで地元企業として参加した際にスタッフが作ったのが、このカレーなのです。
実は南蛮エビ(甘エビ)は糸魚川市の特産品。かつては地元飲食店でも作られていたというエビカレーを作ってみようと、市内各店をヒアリング。エビの生臭さを抑える工夫など凝らし、3種類を試作。工場の昼休みにみんなに試食してもらい投票してもらうなど、ブラッシュアップをして完成。復興マルシェで喜んでいただけた味をぜひみなさまにもと、このファクトリーイベントでも提供させていただくことになりました。
---こんなに大量の南蛮エビを使っているので濃厚! トマトベースにハーブを加えて生臭さを消しています。シノワで濾した後のエビは炒めてふりかけにするなど、スタッフが各家庭でさらに活用しています。
またaoと関わりのある人たちに出店してもらうのも、このイベントのポイント。糸魚川市に各地からやってきてもらうことで、外からの刺激を受けたり、交流の輪が広がればいいなとの願いがあります。
---左より、新潟市の手仕事の店「tetote」増田さん、軽井沢市のコーヒー&ケータリングサービス「Visconti expression」の大崎さん夫婦。いちばん出店歴の長い増田さんと今年初出店の大崎さん夫婦もすぐに打ち解けていました。
---「Visconti expression」はハンドドリップのコーヒーで参加。いい香りが漂っていました。
2016年から参加の「STEP CAMP」寒川さん夫妻は、毎年異なった企画でアウトドアへの親しみ方をワークショップで伝えています。今年は「スタディートレッキング体験」。防災などにも活躍するギアをリュックに収めた「ライフライン・サポートパック」を使って、早川地区をトレッキングしながら、拾った小枝にナイフで火を着けて、ろ過した湧き水でお湯を沸かすというもの。
---オレンジのリュックを背負って、里山で水を汲み小枝を拾いにトレッキングに行きます。
(写真提供:長谷智章さん)
---子どもたちにナイフの使い方を教える寒川さん。便利な道具も扱い方を間違えるとケガの元。仲良く付き合う方法を丁寧に説明しています。
---火花を起こすまでのコツをつかめば、子どもでもできてしまうのです。ナイフやパックは「UPI」の出店ブースでも販売していました。
---昨年aoと寒川さんで開発した「ガーゼハンモック」も展示。会場で子どもたちに人気でした。
糸魚川市内からもいろんなかたがこのイベントに参加してくれました。
aoでは糸魚川の特産品である蓬(よもぎ)を使った「天然染シリーズ」があります。今回はその特産品の蓬を使ったチーズケーキを「みつDELI」という屋号で某有名店のシェフが作ってくれました。また、「つまみ細工 ゆい」はaoのハギレを使ったアクセサリーのワークショップを開催。毎年商品を並べるやいなや争奪戦(?)が起こる「Ragget oven」のパンもおなじみの顔です。
---緑の美しいチーズケーキ。蓬は食べても染めてもOKな特産品なのです。
---つまみ細工は小さなハギレを組み合わせて花に仕上げます。
---初めてのかたでもゆっくりと時間をかけて制作していました。
---出店者のみなさんも完売しないかソワソワ見守っていた「Ragged oven」のパン販売ブース。
もちろん、aoのアイテムの販売も地元の皆さまに喜んでいただけるイベントの目玉です。
糸魚川で作られたものが地元で買える。ファッションの地産地消です。昨年に続き、藍染めによるアップサイクルも行いました。
---朝一番を狙って来るお客様の多い、aoの販売ブース。サンプル品などお得なアイテムもこのイベントでは並びます。
---こちらは糸魚川産の翡翠をアクセントに使った、藍染めのおくるみストール。こういった地元・糸魚川にまつわる取り組みも行っています。
---「ジャパンブルーアップサイクル」で手持ちのブラウスを藍染めにしたお客さま。お気に入りの1着が新しく生まれ変わり、喜んでいました。
田園に囲まれた「藍染のやかた」で開催されるファクトリーイベントは、aoのスタッフたちの手作り感あふれるものです。案内図のイラストも手描き、料理も朝早くから自分たちで仕込み、会場内に飾る花は野山で摘んだものをブーケに。ささやかではあるけれど、来ていただくみなさまにいい時間を過ごしてもらいたいという気持ちは、普段からミシンを踏み、商品をお届けしている気持ちと同じはず。こういうイベントからもaoのものづくりが伝わればいいなと思っています。
---菜の花や蓬など、野に咲く花を開場前に摘んで、彩りを添えていました。
---来場されたかたにわかりやすく会場を案内するために、スタッフが描いた見取り図。
---シロツメクサには季節が早かったのですが、このチラシに添えるためにスタッフが探して摘んできたそう。