代官山閉店のご挨拶
昨日、ao代官山店の営業を終了させていただきました。
15年という永きに渡り、ご愛顧いただけましたこと本当に感謝いたします。
縫製工場(株式会社美装いがらし)のファクトリーブランドとして、ディレクターの久保と何もわからない二人が、たくさんの方に支えられガーゼ専門ブランドをスタートしたことを、思い返しております。15年間で、コラボさせていただいたクリエーター、企業の方は80社、素材メーカーと試作を重ね生まれたオリジナルのガーゼ素材は、60を越えました。累計の展開アイテムは、800型以上。その中から多くの定番が生まれ、15年販売し続けている素材・型も多くあります。
2010年、パリでのメゾンドオブジェという展示会に参加し、現在の"肌触り"の原型ができた運命ともいうべく出会いがありました。スイスの癌医療専門のドクターが来展され、ガーゼの肌触りを絶賛いただき、問いかけられました。「ミスター五十嵐、このガーゼはなんでこんなに肌触りが良いのでしょうか。患者さんのストレスを衣類で軽減したいのですが、どうしたらいいのでしょうか?」
この出会いをきっかけに、日本に戻り信州大学の繊維工学科の方々と、感性工学の面から肌触りを数値化するという研究を行うことになりました。研究の結果、当時日本では初めてという、6時間計測でストレスが下がる結果が生まれました。この研究結果に沿い、素材の開発・加工、パターン・仕様、縫製をアップデートし続けて、現在に至ります。
あの出会いから10年たった今、ご縁あって乳癌患者の方の専用インナーを開発し販売できたことにも、大きな流れと運命を感じています。
今後も、いただきました多くのご縁を振り返るとともに、更に多くの方とつながっていけるブランドを目指していけたらと思っています。
代官山店は卒業させていただきましたが、今後もガーゼを愛し、愛していただけるブランドを目指して、スタッフ一同、次のステージへ進んで参ります。
今後とも変わりないお引き立てを、よろしくお願いいたします。
株式会社 アオ
五十嵐 昌樹 久保 正子